まずは「トラウマ」という言葉の生い立ちと、その研究の歴史について考えてみたいと思います。


*「トラウマ」の語源について
初めて「トラウマ」(trauma)という言葉を聞いた時、その語源が気になりませんでしたか? 私は、思わず「虎馬」などと漢字をあててしまった覚えがありますが、もちろん外来語です。

正確には、ギリシャ語の「傷」、それも「身体の外傷」が、その語源です。

日本では、この言葉を初めて心理学用語として使い始めたのはフロイトだと言われています。20世紀に最も影響を与えた精神科医・心理学者のジークムント・フロイトが、1893年に神経学専門誌に寄せた『ヒステリー現象の心的抑制について』という論文に出てくるのです。

また、英語圏で著名なウィリアム・ジェームズや、フランスのピエール・ジュネも同時代に「トラウマ」という言葉を使って自説を論じています。特に、ピエール・ジャネはフロイトが留学していたフランスの精神病院の指導者・シャルコの愛弟子で、1887年に専門誌でトラウマという言葉を論文中で使っていて、実はフロイトより早い段階でこの言葉を造語し、その概念について研究しだしたと言えます。


*「トラウマ」の意味と和訳
Yahoo!の国語辞典では、「トラウマ」を検索すると「精神的外傷」に転送されます。その部分を引用すると…。

【精神的外傷】…恐怖・ショック・異常経験などによる精神の傷。神経症やヒステリーなどの精神障害の発生因となる。トラウマ。(Yahoo!辞書より)

とあります。また、1996年にアメリカの精神科医ジュディス・ハーマンの『Trauma and Recovery』を訳した中井久夫氏は、「トラウマ」を「心的外傷」と訳しました。その理由は、「ギリシャ語本来の意味で“身体の外傷”から独立して、“こころの”という形容詞抜きで使う用例は、まだ一般に定着しておらず、“外傷”だけでは外科学の本棚に並べられてしまう恐れがあるため」だということです。

こうしたことから、現在は身体的な外傷と混同する危険がない場合に限り、単に「外傷」とする場合もありますが、多くは「心的外傷」「精神的外傷」という言葉が使われています。



プロフィール
プロフィール
トラウマとは
トラウマの語源と意味
トラウマの定義
トラウマの研究の歴史
トラウマが原因の精神疾患について
トラウマが原因の代表的症例・1
トラウマが原因の代表的症例・2
トラウマが原因の代表的症例・3
トラウマによるPTSDについて
PTSDの診断基準とトラウマ症状
PTSDのトラウマ治療~薬~
PTSDのトラウマ治療~精神療法~
トラウマ二次受傷について

スポンサード リンク

 

モバイル版

モバイル版
Copyright (C) 2008 ptsdrecovery-nyumon.com All Rights Reserved.